病気の記録(2)エルヴィスはがんばっています。


Last updated 9.Jan.2001

1月2日(火)

夜2時、3時とおしっこをしたらしく、顔を上げるのでマットを取り替える。朝8時様子がおかしいので検温してみると39.5度。あわてて予備の抗生物質を飲ませるが熱は引かず、すぐに体温が40度から夕方には41度まで上がる。息が荒い。意識がもうろうとなっている。さかんに舌なめずりするので、注射器で水を与える。頭の冷やしたタオルを何回も取り替えながら夜を過ごす。困った、獣医先生は4日までお休みだし、どうしよう。

1月3日(水)

朝体温は40.5度、うつらうつらの状態。薬を無理矢理飲まそうとするが吐き出してしまう。もう私にできることはない。祈る思いで獣医先生に電話する。急患のため病院に来ていた先生と話しが出来た。すぐに往診をお願いする。獣医先生は年末年始休みがなかったとの事。感謝。すぐに各種注射(強心剤、吐き気止め、抗生物質)をする。のどが腫れていてむくみが見られるなど、今回は前回より症状が悪いので(利尿剤、解熱鎮痛剤)の注射もする。解熱剤の注射は危険な面もあるが、今は時間の余裕があまりない。注射をして2時間程度で頭をもたげ気がついた様子。体温38.5度と平熱まで下がる。寝たまま水と少量のリンゴ等食べる。夕方6時少量の食事。熱の下がっている時は食欲はあるようだ。夜発熱、再び40度近くになる。

1月4日(木)

朝体温40度。11時、獣医先生により診察、注射。身体の各部のリンパ腺の腫れが認められ、リンパ肉腫の疑いがある。これだと救いようがない。昨日と同じセットの注射をして様子を見ることにする。午後1時、体温38.8度。リンゴ2切れ、ビスケット2枚、少量の食事をとる。体温の変化を観察しながら今後の方針を決めることとする。

独り言

エルヴィス、これでいいんだろうか?無理矢理に苦しめていないだろうか?年が年だけに君は長くはないと分かってはいるが、でも少しでも長生きしてほしい。そして苦しまないでほしい。毎晩君の息づかいを聞きながら、こんな事を考えているよ、エルヴィス。

1月8日(月)

昨晩から降り続いた雪も今朝はやみ、とても静かな朝を迎えました。この3日間、エルヴィスは熱との戦いを繰り返しています。いろんな手段で熱を下げています。そして苦しみを取り除く努力をしています。注射は劇的に効きますが、呼吸の荒さを引き起こし、衰弱を激しくするので止めました。座薬は全くと言っていいほど効きませんでした。今は口から解熱鎮痛消炎剤を投与しています。エルヴィスはいやがりますが、心を鬼にして口の中に薬を入れています。高熱で苦しむより、熱をとって楽にしてやりたい一心です。安楽という事も何度も考えましたが、意識があって、目でパパ達を追っているエルヴィスに、どうしてそんな事が出来るでしょうか?もう何回熱を計ったことでしょう。ごめんね、体温計入れられて気持ち悪いよね。でも、君の変化をしるのは熱を計ることしかないんだ。パパとママはずーっと付いていてあげるからね。

1月9日(火)

昨晩パパはママとエルヴィスの今後の事について夜遅くまでお話し合いをしました。結論としては、決して意識のある時に、そして苦しんでいない時に最後の手段はとらないことです。エルヴィス、君の苦しみをパパ達も共有したいんだ。君は解熱剤で熱が下がる時、苦しい呼吸になり、あえぎ、そして3時間かけて熱が1度くらい下がる。熱が下がっているほんの少しの時間、何かを食べてくれる。昨日も君の枕元で皆でリンゴをシェアして少し食べたよね。本当に幸せな時間だったよ。でもまた熱は上がってきて、地獄の時間になってしまう。本当にこの繰り返しが君を苦しませてはいないんだろうか?パパ達は君の苦しみを取りたい気持ちでいっぱいなんだけど、逆に君を長く苦しめているだけじゃないだろうか?今、君の体温は40度近くあるけど、比較的楽な呼吸をしてるよね。水も注射器で飲めるよね。うつろな目だけど、パパ達を見つめ、部屋に誰かが入ってきたら、目が動くよね。だったらこのまま何もしないのがいいんだろうか?解熱剤はもう使わないことに決めたよ。抗生物質が効いてくれればいいんだけど。エルヴィス、ごめんね。

パパの最後の日記へ


  

ELVIS HOME PAGE へ戻る

記録(1) へ戻る